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公益活動基礎知識

NPOの基礎知識

■NPOとは
 NPOとは、英語のNon Profit Organizationということばの頭文字をとったものです。営利を目的とする会社(PO=Profit Organization)に対して、営利を目的としない(利益を構成員に分配しない)非営利組織の民間団体の総称です。
 日本では、NPOの中でも、政府や政府系企業でないことを強調して、特に海外で活動する民間援助団体を、非政府組織(NGO=Non Governmental Organization)と呼ぶこともあります。国連でオブザーバーとして発言・参加を許されて活動をしてきたところから、政府や政府系団体と区別して、NGOは海外民間援助団体を指す言葉として定着しています。

■広義のNPOと狭義のNPO
 また、NPOはその範囲を広く(広義)捉えられたり、せまく(狭義)捉えられたりすることがあります。
 一般的には、広義のNPOは、民法34条による社団や財団法人などの公益法人、34条法人に基づく特別法として法人格を付与されている、宗教法人、学校法人、社会福祉法人、医療法人、生協、農協、協同組合など主務官庁の認可や許可を受ける法人、特定非営利活動法人、ボランティア団体など任意団体を含みます。
 特別法による法人は100種類以上あり、多種多様です。これらは、組合など共益(構成員相互の利益)を目的にする団体と公益を目的にするものとに分けられます。ほとんどが主務官庁の認可や許可を必要とし、監督も受けます。町内会等の自治会、草の根のボランティアグループまで含めると、その数は統計によれば全国に10万団体あるとも40万〜50万団体あるともいわれています。
 これに対し狭義のNPOの概念は、官庁の監督を受けない、自由で自発的に活動する市民活動団体、ボランティア団体や、特定非営利活動促進法による特定非営利活動法人などを指します。

■もうひとつの公共としてのNPO
 私たちが一般的にNPOという言葉を用いるのは、狭義のNPOです。NPOは、行政や企業でもない第3のセクターとして「もうひとつの公共」「もうひとつの公益」として社会を構成する主体のひとつです。
 ジョン・ホプキンス大学のレスターサラモン教授は、NPOの定義的特徴として、つぎの項目を掲げています。
(1) 非政府性
(2) 公益性
(3) フォーマルな組織性
(4) 非営利性(構成員に利益配分しない)
(5) 独立の意志決定
(6) 自発性

NPO法とNPO法人

■NPO法の成立
 これまで、公益活動をしている団体が法人格を得るためには、主務官庁の許可・認可を必要とした公益法人や社会福祉法人などになる方法しかありませんでした。しかし、基本財産や諸条件が厳しく、長年、NPO活動をしていた団体は、法人格を得ることができませんでした。こうしたなか、1995年阪神・淡路大震災の時に、草の根的な多くのボランティア団体が災害救助や生活支援に活躍し、一躍NPOとしての存在と意義が広まり知られるようになりました。こうした状況を追い風に、1996年12月、与党三党(当時、自由民主党・社会民主党・さきがけ)により「市民活動促進法案」が提示され、その後、「シーズ=市民活動を支える制度をつくる会」をはじめ市民活動団体の意見を取り入れた上で、1997年6月、「市民活動促進法案」の修正案が与党三党並びに野党民主党により衆議院へ提出・可決されました。その後、参議院にて、全会派による審議の結果、「市民活動促進法」は「特定非営利活動促進法」に名称変更した上で可決され、続いて衆議院本会議でも全会一致で可決・成立、そして、「特定非営利活動促進法」は1998年3月25日に平成10年法律第7号として公布され、1998年12月1日に施行されました。市民団体と国会議員で作った画期的な法律ということができるでしょう。

■NPO法人の設立
 特定非営利活動促進法(NPO法)は、認証主義で法人格を取得することができる法律です。認証主義とは、法律に設立要件を明文化し、その要件に適合していれば必ず法人の設立を認めなければならないとするものです。所轄庁は手続き書類が法定要件に合致しているか“確認”“証明”するのみで、行政の裁量を極力排除するようにしてあります。 特定非営利活動法人(以下NPO法人)になるには、以下の要件を満たす必要があります。

(1) 特定非営利活動を行うことを主たる目的とすること(法第2条)
(2) 不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与することを目的とすること(法第2条)
(3) 営利を目的としないこと(法第2条)
(4) 宗教活動を主たる目的としないこと(法第2条)
(5) 政治活動を主たる目的としないこと(法第2条)
(6) 特定の公職の候補者、公職者又は政党の推薦・支持・反対を目的としないこと(法第2条)。
「特定の公職」とは、衆・参議院議員、地方公共団体の議会の議員、地方公共団体の首長の職を指します(いわゆる”選挙運動”については、団体の従たる目的であっても認められません)。
(7) 暴力団でないこと、暴力団又はその構成員もしくは暴力団の構成員でなくなった日から5年を経過しない者(暴力団の構成員等という)の統制下にある団体でないこと (法第12条) 
(8) 社員が10人以上であること(法第10条)
(9) 社員の資格の得喪に関して不当な条件を付さないこと(法第2条)
(10) 役員報酬を受ける者は役員総数の3分の1以下であること(法第2条)

また、以下の11種類の申請認証書類を用意します。

(1) 設立認証申請書
(2) 定款
(3) 役員名簿(設立当初の役員の氏名及び住所または居所ならびに各役員について報酬の有無を記載した名簿)
(4) 各役員がNPO法の役員欠格事由(第20条各号)に該当しないことおよび役員の親族等の排除の規定(第21条)に違反しないことを誓約し、法人の役員就任を承諾する書面の謄本(写し)
(5) 各役員の住所または居所を証する書面 (住民票の写し)
(6) 社員のうち10人以上の者の氏名及び住所または居所を記載した書面
(7) 確認書(団体が、宗教・政治・選挙活動を目的とする団体および暴力団、暴力団の統制下にある団体ではないことを確認する書面(第2条第2項第2号及び第12条第1項第3号))
(8) 設立趣旨書
(9) 設立についての意思の決定を証する議事録の謄本(設立総会議事録)
(10) 設立当初の事業年度及び翌事業年度の事業計画書
(11) 設立当初の事業年度及び翌事業年度の収支予算書

■設立までの期間
 認証を受ける所轄庁は、法人が登記する事務所が所在する都道府県になります。
 2箇所以上の都道府県にまたがる事務所がある法人は、内閣府に届け出ます。
 設立認証申請書を所轄庁に届け出てから、2か月間一般に縦覧し、その後不備がなければ、2か月以内で認証されます。合計4か月かかります。(千葉県は3か月)
 認証後は、法人の住所を管轄している法務局に届け出ます。設立は登記を持って完了します。登記をしないと法的な効力はありません。登記のあとに所轄庁に登記完了届けを出します。これで申請手続きは終了です。

以下の東京都のホームページから手引き書や定款などの雛形がダウンロードできます。

東京都 生活文化スポーツ局「市民活動のホームページ」
http://www.seikatubunka.metro.tokyo.jp/index4.htm

■NPO法人の会計・税務
 NPO法人は、正規の簿記の原則に従って正しく記帳するようNPO法に定められています。財産目録、貸借対照表および収支計算書は、会計簿に基づいて収支および財政状況に関する状況を正しく表示しなければなりません。
 また、一定の規模がある団体は、NPO会計に詳しい税理士に相談すると良いでしょう。
こうしたNPOの会計・税務に関しての様々な情報やツールは、以下のNPO会計税務サポートサイト(運営:NPO法人NPO会計税務専門家ネットワーク)で提供されています。

NPO会計税務支援サイト http://npoatpro.org

■認定NPO法人制度(支援税制)
 認定NPO法人制度とは、NPO法人の活動を税制面で支援するために制定された制度で、「NPO支援税制」とも呼ばれます(内閣府や国税庁の呼称では「NPO法人に係る税制上の特例措置」)。この制度のポイントを簡潔にまとめると以下のようになります。

【ポイント1】

 NPO法人のうち一定の要件を満たすものとして国税庁長官が認定したNPO法人に対して「認定NPO法人」という資格を付与する。
【ポイント2】

 「認定NPO法人」に対して寄付金を拠出した個人および法人は、一定の金額までその寄付金を課税所得から控除(損金算入)することができる。また相続財産を寄贈した場合も、その寄贈した分は非課税となり、寄付者側にはその寄付金や寄附した相続財産に対して税金がかからない。
【ポイント3】

 「認定NPO法人」が実施した課税対象事業の法人税は軽減される。課税対象の事業から黒字が出ても、他の非課税事業に支出した場合には、所得金額の一定割合は寄付金とみなされ、損金として控除することができる(「みなし寄付金制度」)

 つまり一言で言えば、「認定NPO法人」格を取得したNPO法人は寄附を集めやすくなり、多くのNPO法人が「認定NPO法人」格を取得できれば、個人や法人は寄附をし易くなるという制度です。しかし、認定要件が厳しすぎること等から、現在(2008年10月1日現在)89団体が認証を受けているのみです。

国税庁ホームページ http://www.nta.go.jp/
認定NPO法人名簿  http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/denshi-sonota/npo/meibo/01.htm


公益法人(社団法人・財団法人)制度改革

■公益法人とは
 公益法人(社団法人・財団法人)に関する制度が、行政改革の一環として現在改革されようとしています。
 公益法人は、官である行政や民間営利の企業だけでは、満たすことのできない国民生活や社会の多様なニーズを、さまざまなサービスで提供する公益の担い手の中心でした。
 現在、社団・財団合わせて2万5千余りあります。
 約110年前の明治29年に制定された民法の第34条にもとづいた公益法人(社団・財団)の設立には、
  @主務官庁の許可(許可主義)を得ること。
  A公益(非営利で不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与)に関する事業を行うこと。
  B営利を目的にしない(剰余金を分配しない) こと。
の3つがセットになっていました。

■公益法人の問題点
 わが国では、今まで公益の部分は官で行うという意識が強く、公益を担う民間のボランティア団体が法人格をとるには、設立や公益性の判断も含めて主務官庁(省庁など)のさじ加減が大きく、敷居があまりにも高く、公益法人の設立は困難でした。
 一方、行政だけで公的サービスを担うには、さまざまな国民のニーズに追いつけず、ますます民間の力を必要とする時代になりました。
 公益法人に関する民法第34条も見直されることなく現在まで続いた結果、制度疲労をおこし、社団・財団に対して国民からさまざまな指摘や批判がおこりました。
 現在の社団・財団法人は、
  ●税制上の恩典もあり、特権で民間ビジネスを圧迫している。
  ●税金である補助金や助成金が無駄に使われている。
  ●官益法人(役人の天下り受け皿)であって、「役(役人)益あって民(国民)益なし」。
  ●タテ割りの主務官庁が設立の許可、監督するので、公益性の判断基準があいまい、かつ情報開示も不十分。「省益あって国益なし」。など等。
(参考:1998年に、特別法でNPO法が施行され、認証により、小さなボランティア団体も簡便に非営利の法人格を取得できるようになり、NPO法人は、2008年8月現在3万5千団体を超えました。)

■新しい公益法人制度
 平成18年6月公益法人制度改革の3法案が公布されました。
 公益法人になるには、現制度では、主務官庁である省庁などが、「設立」と「公益性の判断」をセットで行ない、許可(許可主義)していますが、新制度では主務官庁の関与を排除するため分離し、「設立」は登記のみ、「公益認定」は第3者機関の意見をもとに、内閣総理大臣または都道府県知事が認定する制度にしました。
 従来からのNPO法(特定非営利活動促進法)と並んで、簡便な手続で法人格を取得できる新設制度として、今後の動向が注目されます。

■新制度の概略は、こちらのページもご参照ください。


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(※不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与する、自発的な活動)
 
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